メーカーの嘘・美容師の嘘
美容業界に25年以上携わってきて分かったことがある。
大前提としてメーカーは「本当に良いもの」を作るんじゃない。
「売れるもの」を作るんだ。
もちろんそれが結果的に「良いもの」であることがほとんどだ。
「良いもの」だから売れる。
だが全てが「良いもの」=「売れるもの」とは限らないんだな。
「本当に良いもの」でなくても、目新しい成分であったり、テレビやSNSで話題性があって「売れる」ものならメーカーさんは作る。
そして売れるから美容師も勧める。
インターネット広告や、SNS戦略、可愛い容器にお金かけて、中身はたいしたことないなんてシャンプーも実際あるんだな(小声)
なのでそんなメーカーや、美容師に騙されないようにシャンプーの選び方を伝授しようと思う。
シャンプー選びで見るべきポイントはたった1つ
シャンプー選びで見るべきたった1つのポイント、それは「洗浄成分」(界面活性剤)だ!
「洗浄成分」でシャンプーの善し悪しが決まると言っても過言ではない。
「洗浄成分」以外の保湿・補修成分なんかは「そりゃあ良いものが配合されてるに越したことはないよね」という程度のものだ。
シャンプーの裏の成分表を見てみろ。
一番最初に水って書いてるよな?成分表は配合量が多い順に書かれている。
シャンプーっていうのは水が5~7割を占めている。
あと3~4割が洗浄成分なんだな。
「水」のつぎから10個目くらいまでに書かれているのが洗浄成分だ。
※洗浄成分が強いもの・刺激のあるものだと、毎日のシャンプーでコツコツコツコツ頭皮と髪を痛めつけてることになるんだからな!
洗浄成分だけでも絶対ぜ~~ったい見たほうがいいぞ。
・シャンプーの善し悪しを決めるのは「洗浄成分」
・成分表の「水」の次から10個目くらいまでに書かれている。
じゃあどんな洗浄成分がいいの?
シャンプーにとって洗浄成分が「命」なのはよ~く分かったよな?
それでは次は「どんな洗浄成分がいいの?」っていうステップだ。
結論から言うと「アミノ酸系洗浄成分」一択だ!
髪にも頭皮にも負担をかけず、皮膚刺激も少なくアレルギーを起こしにくい。
それどころか、サラサラになったり、しっとりしたりというコンディショニング効果まであるんだぞ。
「水」の次に書かれている、一番配合量の多いメインの洗浄成分はぜ~~ったいにアミノ酸系をおすすめするぞ。
洗浄成分は大きくわけて4つに分類
「アミノ酸系」洗浄成分が髪や頭皮に良いっていうのはよ~く分かったよな?
ただ全ての人に万能かと言われると、一概にそうとも言えない。
例えばオイリー肌の人や、ハードワックスを常用する人なんかは、洗浄力が弱すぎると感じるだろう。
(それも強い洗浄成分を使うくらいなら、アミノ酸系で2回シャンプーしたほうがいいと俺は考えるけどな)
ここで一度アミノ酸系の他にどんな洗浄成分があるのか解説していくぞ。
まず4つの洗浄成分とは
1 高級アルコール系
2 石けん系
3 ベタイン系
4 アミノ酸系
洗浄成分は大きくわけてこの4つに分類されるんだな。
1 高級アルコール系
【主な高級アルコール系洗浄成分】
・ラウレス硫酸Na
・ラウレス硫酸アンモニウム
・オレフィン(C12-14)スルホン酸Na
・オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
安い市販のシャンプーで最も多く使われているのが、この高級アルコール系の洗浄成分だ。
お察しの通り「高級」って書いてあるけど安い成分だぞ。
ちょっとシャンプーに詳しい人なら「危険な成分」として一度は聞いたことあるであろう「ラウレス硫酸」などがこれに当たるな。
こいつの特徴はとにかく脱脂力が強いんだ。
泡立ちも良く安いので、市販のシャンプーに多く使われているが、けっしてオススメできる成分ではない!
なるべく避けたい成分だな。
※最近は「ラウレス硫酸」の悪評が有名になりすぎて、代わりに「オレフィン スルホン酸」というのがよく使われてるな。「ラウレス硫酸」よりは多少皮膚刺激が抑えられてはいるが、脱脂力は「ラウレス硫酸」と同程度なので騙されちゃだめよ。
2 石けん系
【主な石けん系洗浄成分】
・石けん素地
・脂肪酸ナトリウム
・脂肪酸カリウム
結論から言うと、こいつもオススメはできない洗浄成分だ。
脱脂力が高級アルコール系に負けず劣らず強いんだよな。
そもそもアルカリ性の洗浄成分なんて使う意味がわからない。
酸性のリンスと一緒に使って中和させるんだが、そもそもアルカリ性の洗浄成分を使うなんてリスクを冒さなければ、中和する必要もないって話だろ?
ほんでめっちゃキシむしな。
3 ベタイン系
【主なベタイン系洗浄成分】
・コカミドプロピルベタイン
・ラウラミドプロピルベタイン
・ラウリルベタイン
ベタイン系は普通に良い成分。
洗浄力もマイルドなものが多く、皮膚刺激も少ない安全な洗浄成分だ。
その安全性から、よくベビーソープなどにも使用されているな。
アミノ酸系ほどのコンディショニング効果はないので、泡立ちの補助や、洗浄力の底上げ、他の成分の刺激緩和などサブ的に配合されることが多いぞ。
4 アミノ酸系
【主なアミノ酸系洗浄成分】
・ココイルグルタミン酸TEA
・ココイルグルタミン酸Na
・ラウロイチルグルタミン酸TEA
・ラウロイチルグルタミン酸Na
・ココイルメチルアラニンTEA
・ココイルメチルアラニンNa
・ラウロイチルメチルアラニンTEA
・ラウロイルメチルアラニンNa
筆者が全人類に使っていただきたいと思っている洗浄成分だ。
洗浄力は極マイルド。
洗浄成分なのに、保湿効果でしっとりしたり、コンディショニング効果でサラサラになったりするんだ!
素晴らしい!
アミノ酸系洗浄成分は4つに分類することが出来る。
中でも【グルタミン酸系】と、【アラニン系】は覚えておくといいぞ。
あとの2つは、ほぼ補助的に使われることが多いのでスルーでいい。
・洗浄成分は【アミノ酸系】一択
・なかでも【グルタミン酸系】と【アラニン系】
⇒【ココイルグルタミン酸TEA】がメイン洗浄成分の筆者愛用シャンプーはこちら
実際やってみよう!俺ならココを見て、こう選ぶ
「いや能書きはいいから、実際シャンプーを選ぶときはどうすればいいのよー」って声がそろそろ聞こえてきそうなので、実践編いってみよー!
まず絶対やってほしいのが、裏面の成分表を見ること。
前提として成分表は配合量が多い順に書かれている。
なので最初は「水」だな。
「水」の次から10個目くらいまでを見てみろ。
↑で紹介したような洗浄成分がずらっと書かれているはずだ。
ここに「◯◯グルタミン酸◯◯」とか「◯◯メチルアラニン◯◯」なんて書いてあったら、そのシャンプーは【当たり】だ!
(特に2番目・3番目に書かれているのが、メインの洗浄成分になるので重要だぞ)
逆に「ラウレス硫酸Na」とか、「オレフィン(C12-14)スルホン酸Na」と書かれていたら避けたほうがいいだろうな。
(もちろん皮脂量が多いピチピチの男子高生なんかは例外だぞ)
まとめ
✔ メーカーは「売れる物」を作る。本当に良いものを選ぶ「目」を養おう。
✔ 見るべきたった1つのポイントは、「洗浄成分」
✔ 選ぶべきは「アミノ酸系洗浄成分」一択。